名も無き引きこもりのこれまで②

僕はその田舎町の小学校に入る事となります。


遊ぶのが仕事だった幼稚園時代と比べていよいよ本格的な勉強が始まるわけですが、教

育熱心だった親のお陰で勉強についていけないという事はありませんでした。


算数は苦手でしたがそれ以外のテストでは高得点を取れていましたし、少なくとも勉強

においては優等生の部類に入っていたのではないかと思います。


いわゆる教育ママだった母は「勉強が一番大事だ」という事を、幼い頃から僕に言い聞

かせていました。


だから僕も「勉強の出来る僕は偉いんだ!これからきっと先生にもたくさん褒められ

て、クラスの皆からも尊敬されるに違いない!」と思うようになります。


しかし、この学校ではそうもいかなかったのです。

 

 

 

 

 

田舎の学校という事もあるのでしょうが、あの学校の先生方は「子供は元気が一番」と

考える古いタイプの先生が多かったように思います。


だからなのか、僕がテストでいい点を取っても褒められる事はあまりありませんでし

た。


むしろ休み時間に元気に外で遊んでいるような子達と比べられて、よく分からない理由

で怒られたり説教される事の方が多かったですね。


そんな毎日が続いて、僕はよくこんな事を考えるようになりました。


「(あれ?学校って勉強する所だよな?なのに何で勉強が出来る僕がこんな扱いを受け

なくちゃならないんだ?)」と。

 

 

 

 

 

前にも言いましたが、僕は親から「勉強が一番大事だ」と教えられてきました。


しかし実際に学校に入ってみると、クラスの中心となっているのは勉強が出来なくても

運動が出来るだとか、友達の多い子ばかり。


親から勉強しか教えて貰えなかった僕は、この事実に衝撃を受けます。


また先述の僕に対する先生の対応の事もあり、クラス内での僕の評価は段々と悪い方向へ向かっていきました。

 

 

(続く)